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マレーシア生活情報

マレーシア在留邦人数が激減!海外移住先ナンバーワンの座から陥落するのか?!

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近年では、マレーシアは人気の海外移住先として広く知られていますが、統計を調べると依然として日本人にとって人気の移住先であるものの、在住日本人数が減少している事実が浮き彫りになりました。

「今後はマレーシアの在馬日本人の数は2万人を下るだろう」
「マレーシアはそこまで物価は安くなく、住みづらい」
「マレーシアでビジネスをするのは難しくなってきている」
「マレーシア移住には要注意!オワコンだよ」

このようにネガティブな意見もSNSなどでインフルエンサーを通して聞こえてきますが、果たしてそうなのか。私は2018年にマレーシアに海外移住して現在で7年半以上にわたり滞在していますが、今回は在住者目線でどのように変化しているのか、各統計情報も参考にしつつ、現状をお伝えします。

先に結論からお伝えしますが、私は「今後もマレーシアは日本人にとって人気の移住先であり、在馬日本人数も増加する」と考えています。

マレーシアは日本人移住先ナンバーワン?!

一般社団法人ロングステイ財団が毎年調査しているデータによると、マレーシアは2006年から2024年まで18年連続でロングステイ(長期滞在型余暇)として海外移住したい国ナンバーワンの座を獲得しています。
※コロナ禍の2020年~2022年の3年間は調査未実施

引用:ロングステイ財団「ロングステイ希望国・地域2023」より

2024年のランキングは下記の通り。

  • 1位:マレーシア
  • 2位:タイ
  • 3位:フィリピン
  • 4位:オーストラリア
  • 5位:インドネシア

マレーシアが人気の理由としては、別記事で詳しく紹介する予定ですが、日本から直行便で約7時間とアクセスの利便性があり、比較的治安も良くて物価も安く、英語圏でかつ日本食をスーパーで購入できる、和食レストランも多く日本と同程度の暮らしができるなど、「滞在しやすい生活環境の良さ」が挙げられます。また最近では海外留学を希望する学生や親子留学でインターナショナルスクールに通わせたい家庭の候補地としても人気です。

マレーシアに在住する日本人は減少傾向?

外務省が発表している「海外在留邦人数調査統計」によると、在馬日本人数は20,025人(2024年10月1日現在)となり、2020年の30,973人を最後に減少傾向にあります。

出典(外務省「海外在留邦人数調査統計」)を編集したもの

マレーシア 在留邦人数の推移(2020〜2024年)※抜粋

  • 2020年:30,973人(+16.0%)
  • 2021年:27,256人(−12.0%)
  • 2022年:24,545人(−9.9%)
  • 2023年:20,657人(−15.8%)
  • 2024年:20,025人(−3.1%)

この統計データを参考にすると、2020年以降で在留邦人数は減っており、2024年はほぼ2万人。マレーシアだけでなく在留邦人数の多い、アメリカや中国もコロナ禍以前に比べて減っています。これにより多くの方が「今後は2万人を下回る」と予想されています。

マレーシア移住者の多くはどんな人?現地で暮らす日本人のタイプを解説

マレーシアに住む日本人の職業などの属性情報は統計データにありませんが、順位付けすると以下のようになると考えています。

  1. 駐在員およびその扶養家族
  2. リタイア層(MM2Hビザ保有者など)
  3. 現地採用で働く社会人
  4. 日本人留学生・母子(父子)留学
  5. 起業家・投資家・フリーランスなど

駐在員およびその扶養家族

統計データは公開されてませんが、最も大きい割合は駐在員とその家族になると考えられます。JETROによる日系企業進出状況では、2024年10月時点で1,634社の日系企業がマレーシアに進出しており、そのうち製造業は829社(約51%)を占めています。
※引用:JETROのマレーシアの概況・基本統計より

2020年から起きたコロナ禍においてマレーシア国内では厳しいロックダウン(外出禁止令)が発令され、日系企業および外資系企業で働く駐在員の多くは一時帰国する状況となりました。また、ZoomやTeamsなどのオンラインミーティングの普及によって、出張ベースでも業務に大きな支障がないことが判明してからは、コロナ前と同様に駐在員を戻す企業は少なく、コロナが収束を迎えても駐在員の数は元通りではないと考えられます。

リタイア層(MM2Hビザ保有者など)

マレーシアは2006年から18年連続で海外移住したい国ナンバーワンの座を獲得している通り、定年退職された後の第2の人生をマレーシアで過ごしたいリタイア層も多く住んでいます。

MM2H(Malaysia My Second Home)は外国人がマレーシアに最長20年間、長期滞在できるビザであり、定年を迎えたリタイア層が多く保有していました。しかし、マレーシア政府によってビザ発給の取得要件が厳格化されたことで、更新できずに帰国された日本人が一定数います。

マレーシア政府は2019年以来初めて、プログラム参加に関するデータを公表し、2024年1月時点でマレーシアには56,066人のMM2Hパス保有者がおり、そのうち日本人は8%の4,733人でした。ちなみに、最も割合の高い中国国籍者が24,765人、次いで韓国(4,940人)、日本は3番目となります。
参考:Govt Plans Further Easing of MM2H Rules as Minister Reveals 56,066 Visas Still Active

現地採用で働く社会人

海外で働く場合は必ず、就労ビザを取得する必要がありますが、マレーシアは比較的取得しやすい国として知られており、駐在員とは別に、マレーシアにある日系企業や外資系企業に直接雇用されて現地採用として働く日本人も多く住んでいます。

特に、日本のテレビ番組やメディアの影響もあり、BPO(Business Process Outsourcing)と呼ばれる企業の特定の業務プロセスを一括して外部委託している企業で、AmazonやExpedia、YouTubeなどのコールセンターやヘルプデスクのサポート業務に携わっている方も多く住んでいます。これらは英語が話せなくても日本語のみで、マレーシアの平均所得と比べて高給与で求人募集しており、年齢性別を問わずに多くの日本人が働いてます。ただし、昨今のAIの台頭により、求人は減少していくと予想されます。

日本人留学生・母子(父子)留学

上記のような社会人だけでなく、マレーシアには優秀な大学も多数あり、交換留学生を含めて多くの学生が住んでいます。世界大学ランキング(QS World University Rankings 2026)において、マラヤ大学は世界ランキング58位。ちなみに、日本国内で1位の東京大学が同36位で、京都大学は同57位です。
出典:QS World University Rankings 2026: Top global universities

またマレーシアにはインターナショナルスクールも多く、マレーシア全体で200校以上、首都クアラルンプール近郊だけでも約120校あります。子供を英語環境で学ばせたい、海外で活躍できる人材に育てない家庭も増加傾向にあるなか、年間の授業料も100万円以下から200万円以上と幅広く、富裕層だけでなく一般家庭であっても子供をインターナショナルスクールに通わせられる選択肢があり、今後も増加すると予想できます。

起業家・投資家・フリーランスなど

マレーシアでは、就労ビザだけでなく、会社設立についても他国と比較して容易であり、日本国内大手の製造業などのマレーシア進出が停滞するなか、飲食店や美容・整体・ヨガなどサービス業態の出店は個人起業家によって増えています。また首都クアラルンプールをはじめ、毎年多くのコンドミニアムが建設されることから不動産投資や株式に対して非課税、相続税や贈与税が存在しないことから投資家なども一定数います。

さらに、2022年10月に導入された、デジタルノマドビザ(DE Rantau Nomad Pass)により、フリーランスや海外企業にリモート勤務する日本人も多く住めるようになりました。また当初はIT・デジタルマーケティング・コンテンツ制作などの職種が対象でしたが、現在は非IT分野の専門職にも対象が拡大されており、今後も増えると予想されます。

まとめ:在馬日本人数が減少傾向にあるのか?

現在のマレーシアに住む日本人の属性および、なぜマレーシアが人気なのか説明しましたが、今後は下記のように変移していくと私は考えています。

<減少傾向>
・駐在員およびその扶養家族
・リタイア層(MM2Hビザ保有者など)

<増加傾向>
・日本人留学生・母子(父子)留学
・起業家・投資家・フリーランスなど

昨年に比べてマレーシアにおける在留邦人数が減った理由として大きく2つあり、マレーシアに出向される駐在員の減少と、MM2Hビザの取得要件が厳格化されたことが挙げられます。

マレーシアで働く社会人について、日本国内の大手企業も海外での予算を減少傾向にあり、高給となる駐在員を増やすのではなく、出張ベースや、現地採用で日本人を雇用もしくは責任者も含めてマレーシア人にローカライズすると考えています。またリタイヤ層の移住についても現在のMM2Hの基準が厳しくなったことで保有者は減少傾向にあります。

ただし、飲食店をはじめサービス業界などBtoC企業は毎年増えており、日本人にとっては日本食や日本製品をマレーシアでも入手できる等の安心感もあり、サービス業の日系企業が増えると同時に、日本人留学生や母子・父子留学など教育移住でマレーシアに滞在する日本人も増えています。さらに、2022年10月1日から導入された、マレーシアプレミアムビザ(PVIP)と呼ばれる長期滞在ビザにより、投資家や富裕層が増加する傾向は依然高いです。

このように、マレーシアに住む日本人の属性が変わったことが、在留邦人数の減少に繋がっていますが、私は2025年以降も2万人を割り込むことはなく増え続けると考えています。

その理由は、在留邦人数の調べ方にあります。

どのように在留邦人数を調べているのか、マレーシアにおける各種ビザの保有数を日本政府がカウントしているのではと思われるかもしれませんが、それは違います。

在留邦人数は、海外に3か月以上滞在する日本人が提出する「在留届」の情報を基に集計されます。毎年10月1日時点のデータを各在外公館から外務省へ報告し、永住者や長期滞在者、駐在員、留学生、その家族などが対象となります。そのため、在留届を提出してない方の人数はカウントされていません。

誤解のないように。これは私の憶測になりますが、駐在員等に関しては在留届を会社が責任もって提出していると思いますが、すべてのマレーシア移住者が在留届を提出しているとは思えません。結果として、届け出の有無が、数字として在留邦人数の減少に繋がっていると考えます。

最後になりますが、私はマレーシアに滞在して8年目となり、少なくとも後数年は住み続ける予定です。今回は、「マレーシア移住は要注意」、「マレーシアはオワコン」と言ったネガティブな意見を私自身がSNSで耳にしたことで、在住者目線でそれは違うという意見を踏まえて記事にしました。

もちろん、私の考え方自体が間違っている可能性もありますが、マレーシアに移住したことに満足しており、マレーシア国自体にも感謝しています。今後もマレーシア生活・移住に関する情報を発信する予定ですが、これからマレーシア移住を検討しているなど、相談を希望の方は遠慮なく私宛にDMをください。本記事が少しでも参考になったなら幸いです。

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